平成31年のごあいさつ

あけましておめでとうございます。

皆さま、新しい年を健やかに平和のうちに迎えられたこととお慶び申し上げます。

今年は、現天皇陛下のご退位の年であり、同時に、現皇太子様が新天皇陛下に即位されるという日本国にとって大変重要な年です。また、元号も平成から新しい元号に変わります。まさに、新しい歴史がスタートする年といえます。

ところで、昨年末、環太平洋パートナーシップ(TPP)協定が発効し、さらには、まもなくEUとの間の経済連携協定も発効されます。このようにいよいよ今年は、メガEPAが始動する記念すべき年です。これらの経済連携協定により、国内の法律も改正され、TPPの発効と同時に施行されました。たとえば、著作権の保護期間もこれまでの50年から70年に延長されました。

また、少し、専門的になりますが、EPAの締約国からの原産品の輸入の際に、原産品であることを証明しないと、協定で定められた有利な関税率の適用を受けることができません。これまでは、主に第三者が証明する「原産地証明書」による証明が主流でした。しかし、TPPやEU協定では、自己証明といって締約国原産品申告書により、輸出者、製造者、輸入者のいずれかが申告する方式のみが採用されました。これらは、一例ですが、メガEPA時代に突入し、法律が改正され制度が大きく変わる、あるいは、これまでの慣行が大きく変わっていくことになるのです。そして、経済の面でも思惑通りプラスに発展させなければなりません。

もう一つ、国内においては、新しい出入国管理法の改正により、今年から外国人の在留資格に新たに特定技能が加わります。技能実習制度とは、別の在留資格ですが、この延長の在留資格になるのではないかと感じています。これまでは、永住権といった身分系の在留資格を除いて、あるいは、留学生などの資格外活動の許可を受けた場合などを除いて、外国人の単純労働は、一切不可でした。今回の改正は、建設、造船、農業、介護など一定の職種については、外国人の単純労働をも可にするというこれまでにない発想の資格です。日本国のかかえる少子化、人手不足に対応するものと考えられますが、いずれにしても、外国人労働者がこれまで以上に多く来日し法律の枠内で労働されることになるでしょう。

ここで問題となるのは、外国人と日本人との接点です。共生社会の到来と言っていますが、そこには、さまざまな軋轢が考えられます。今年は、この軋轢の経験の年になると思います。この軋轢をいかに解決し、減らしていくのかは、お互いに知恵を出し合い、具体的に糸をほぐしていかなければなりません。しかし、それは、容易ではありません。文化、習慣、社会そして宗教など生まれ育った環境の違いからくる軋轢は、お互いの理解と寛容がないと解決は、大変難しいのです。外国人を受け入れるには、それなりに覚悟が必要です。受け入れ側が、外国人を単に人手不足を埋めるための単純労働者の雇い入れという発想を持つのであれば、技能実習制度はもちろんのこと、新しくできた特定技能の在留資格も成り立たなくなるでしょう。

いくつかの例をお話ししましたが、日本は、内外に向け新たな挑戦を仕掛けました。

我々は、メガEPAの発効、外国人に対する在留資格の改正、が今後、産業界にどのように変化をもたらすかを注視していきたいと考えています。

同時に、メガEPA時代の貿易実務についての教育研修の充実を図りたいと考えています。さらに、在留資格のアドバイス、外国人の受け入れの研修、受け入れ外国人に対する研修、技能実習の際の法定研修などグローバル人材研修サービスも行ってまいる所存です。

新しい時代に、新しい発想で、グローバルに歩んでいきたいと考えています。

どうぞ、今年もよろしくお願いいたします。

平成31年1月1日

片山立志

株式会社マウンハーフジャパン・日本貿易実務検定協会・国際実務マーケティング協会・国際会計ファイナンシャル検定協会